復興祈念コンサート
神戸は今日、小雨の降るどんよりとした梅雨の一日でした。
ほんとうは先週行われる予定だった神戸市民交響楽団の定期演奏会が震災のため駄目になり、あるホールの好意で今日、復興祈念コンサートを持つことが出来ました。
壇上の一つの席にviolaが置かれ、花束が添えられていました。
最後のブラームスのニ長調交響曲(2番)の最後の音をオーケーストラが奏でた後、何人かの演奏者の顔に、汗にまじって涙が流れるのを見ました。その汗を、その流れる涙を心から尊いと感じました。
喜ぶ者といっしょに喜び、泣く者といっしょに泣きなさい。
新約聖書 ローマ人への手紙12章15節 新改訳
『海の蒼さ』をオーケストラの奏でる<響きあう音>の中に感じました。そしてそのひとつひとつの音を奏でる演奏者のひとりひとりの<人の辛さ>に思いが及んだとき、響きあう音(symphony)に響きあう心(sympathy)が重なり、そして私に迫ってきました。
外は雨が降り続いていました。演奏会場を後にした私にとって、その雨はまさしく涙雨でした。
彼らは涙の谷を過ぎるときも、そこを泉のわく所とします。
旧約聖書 詩篇84篇6節 新改訳
July2,1995