夢
夢って、大きく2通りの「夢」があるように思います。
目標としてのリアリティのある「夢」と、夢想するだけの「夢のまた夢」と、です。言葉を換えれば「創造的な夢」と、「妄想的(逃避的)な夢」とも云えるかもしれません。
永らくモモは読んでいませんが、子ども達の中にモモがいると、遊びが活き活きし、夢が膨らみ、リアリティにドキドキするような風景があったのが印象的です。(冒頭付近の嵐の中の海賊船の遊びの場面)
夢中になって、一生懸命になって、時を忘れて、冷静さを失って、胸ときめかして・・・、今の自分を省みると、そんなひとときがあまりに少ないように思います。
*
競争社会の中に生まれてそこで生活する者にとっての「夢」って、ファンタスティックなものでは決してないのかもしれません。
美しい「時間の花」は、泥臭くて、汗まみれで、そんな中にあるのかもしれません。
幸福は厩の中にいる
藁の上に。
幸福は
和める心には一挙にして分かる。
中原中也 山羊の歌より
いずれにしても、「夢」も、「夢のまた夢」も、ともに大切にしたいですね。
Oct2,1997