辞書・舟を編む
「辞書を引く」ということが、最近は皆無です。以前は手元に辞書を置いて、わからないことを調べる習慣がありましたが、最近は電子辞書さえ使うことがめっきり減りました。
何冊も辞書があったのですが、断捨離で整理して、手元にある「紙の辞書」は5冊です。左から「漢和辞典」、「国語辞典(広辞苑)」、背表紙が消えていますが「独和辞典」、「仏和辞典」それと「英和・和英辞典(コンサイス)」と、これだけは手元に残したのですが、ほぼ本棚の飾りのようになっています。
三十数年前にEB(電子ブック)という規格が出来て、検索機能に優れたデータ化された辞書として活用していました。ミニCDに辞書が収まってキャディーに入っており、電子ブックプレーヤー「データディスクマン」を買って、その後にパナソニックの電子ブックプレーヤーも購入ました。その後はパソコンのCDドライブに入れて使えるCDーROM版の辞書も誕生して、挿絵も閲覧出来るようになって、これも愛用していました。
平凡社の世界大百科事典が本棚に並んでいたのですが、これもCD-ROM版を買って紙の百科辞典を処分したのも、もう20年ぐらい前です。
その後は電子辞書という製品が出て、ROMに辞書データが収められて、たくさんの辞書が収録されて、手のひらサイズで扱いやすく、そしてメモリー容量も増えて、液晶がカラーになり、ついには百科事典を搭載する機種まで出て、愛用していました。
小学館の「日本国語大辞典」という全13巻の国語辞典を納めた電子辞書です。かなり悩んで買ってしまいました。とにかく、ひとつひとつの言葉の情報量が多く、何より専門家が監修をしているので言葉の担保があります。
でも、最近は紙の本を読むよりも、パソコンやスマホのWeb上の情報の閲覧が多く、わからない言葉や語句があると、コピーペーストして検索サイトでリサーチして、それらしいサイトで意味を調べることが多くなってしまいました。わざわざ電子辞書を開いて、言葉をキーで打つことが、ほぼ皆無になってしまいました。
テレビで、ちょっと古い映画「舟を編む」を観て、辞書のことを再認識しました。久し振りに電子辞書を取り出して、机に置きました。ただ、この秋に買い替えたパソコンには、世界大百科事典のソフトはインストールしておらず、CDーROM版の広辞苑を閲覧するソフトも入れていません。Web検索では「言葉の担保」はありませんが、vividな多様な言葉の意味に触れることが出来、それがネットの醍醐味でもあり、言葉に何を求めるか・・・考えてしまいます。