村上春樹

 会社の寮に住んでいた頃に、村上春樹の世界に魅せられて、初期の作品を読み耽っていました。遡って「風の歌を聴け」、「1973年のピンボール」、「羊をめぐる冒険」を読み、そして「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」で、どっぷりと村上ワールドに浸かってしまいました。

 「ノルウェイの森」は発売日に、当時住んでいた千葉・柏の本屋さんに、仕事帰りに向かって初版を手にして、そのまま読み耽った記憶があり、「ダンス・ダンス・ダンス」も発売日に買ったように思います。その後、埼玉・三郷に引っ越しをして、その次の「国境の南、太陽の西」の最後を読み終わったのは、北総鉄道の電車の中、それまで新京成が北総鉄道と接続していたのが、新京成の北初富駅ー新鎌ヶ谷駅間の連絡線が廃止され、新鎌ヶ谷駅の手前で、新京成に乗り換える直前にちょうど読み終わった時に、車窓の西に、沈む太陽が眩しく輝いていたのが、今も鮮明に記憶に残っています。

 その後の作品には、あまりご縁もなく、後になって文庫本で購入して読むことはあっても、読み耽ってどっぷりと村上ワールドに浸かることはなくなりました。

 初期の村上春樹の作品は、村上春樹が十代の頃を過ごした神戸の街の香りが作品に色濃く出ており、それが村上ワールドに浸かるトリガーになったような気がします。その頃の短編小説を図書館で見つけて借りました。「回転木馬のデッド・ヒート」は1985年、そして「ねむり」は1989年の短編小説で、村上ワールドに浸かっていた頃の作品です。

 書棚に並んでいるのは、主に初期の作品で、その後に文庫本で買ったものは、引っ越し等で処分して手元に残っていないです。

itsumi
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