和歌のことばは 我に響きぬ
「歌会始の儀」が本日、皇居・宮殿「松の間」であり、今年の題は「和」でした。
愛子さま
幾年(いくとせ)の
難き時代を
乗り越えて
和歌のことばは
我に響きぬ
普段は近代以降に詠まれた短歌には親しみを感じて、岩波文庫の短歌集は何冊か手元にありますが、古典様式で古風な和歌は敷居が高く敬遠気味です。でも万葉集や百人一首に詠まれ、千年以上の時を隔てて歌い継がれた いにしえの人々の思いが込められた歌には魅せられます。短歌の親しみとは違う、和歌の様式美の魅力は、まさに「和歌のことばは我に響きぬ」だなあ~と、ことばの「意味を共有する側面」だけではなくて、「ことばの美しさ」、そして「ことばの形と型」を時を隔てて共有する側面に思いを馳せました。
入選者の歌にも、私が面白いと感じたものがあり、
小野文香さん(千葉)
見逃した
小さな小さな
違和感の
粒で自分が
作られていく
個性が「違和感の粒」で作られるというアイロニーに、ダイバシティを尊重することの再発見を見出したように感じます。お題の「和」が、違和感という言葉として顕われている妙も面白いです。「違和感の粒」である自分が、他者との和の根源なのかなあ~と、あれこれ考えさせられました。
京都府 小池弘実さん(京都)
目を瞑り
一分間を
祈るとき
皆が小さき
平和像なり
一昨日の「1.17のつどい」の午前5時46分の黙祷を、そして29年前、震災から1ヶ月目の2月17日の正午だったかの黙祷のひととき、震災から一か月間のことが思い出されて、何とも言えない1分間の時が、まさに平和を、心の底から希んでいた1分間だったように思います。今でも、避難所となっていた当時の本務校のグランドでの光景が忘れられないです。
最後に陛下の歌は、
天皇陛下
をちこちの
路に会へる
人びとの
笑顔を見れば
心和みぬ
「笑顔を見れば心和みぬ」、良いフレーズだなあ~と・・・