恋人岬
6月13日は、縁結びの神と崇められるサン=アントニオが亡くなった日だそうで、その前日の6月12日を、ブラジルを中心に「恋人の日」という記念日として、縁や愛情を深めるため、贈り物をしあう日だそうです。
その6月12日に、垂水の福田川左岸の河口にある「恋人岬」がリニューアルしました。それまでは長らく工事で立ち入ることが出来ず、覆いがあったのですが、整備されていました。
福田川左岸の河口には、通っている垂水体育館があり、写真右の白い部分がトレーニングルームになります。そして写真左が福田川です。
振り返ると、新しくできた「恋人岬」のモニュメントがあり、明石海峡方面を眺めることが出来る椅子が設置されています。
福田川河口の沖に灯台が見えます。平磯灯標で、この付近は暗礁が多いので、明石海峡を行き交う船に危険を知らせるためのものだそうです。この灯台はイギリスの文豪サマセット・モームの「コスモポリタンズ」という短篇集に収められている小説「困ったときの友」が、この灯台を舞台にして描かれています。塩屋クラブから灯台をまわって、福田川河口まで泳ぐと雇おうというようなストーリで、平磯灯標が出てきます。
「恋人岬」から、「万葉歌碑の道」を通って「なぎさの池」へ向かいました。芒種と夏至の間の、もっとも陽射しが強い昼下がり、木漏れ日のコントラスが印象的でした。
「なぎさの池」、埋立地につくられた人工池のビオトープで、池面のむこうに鉢伏山と旗振山が見えます。
池周辺には、自然な感じで草花が咲いています。埋立地とは思えないような自然豊かです。
滝の茶屋駅の西側にある、滝の茶屋の台地から屏風壁のようになっている部分に水の流れの跡があり、昔は滝のようになっていたようで、その滝の脇に茶屋があったので、この辺りは「滝の茶屋」と呼ばれるようになったそうです。そしてこの滝が、万葉集に収められている
石走る 垂水の上の早蕨の
萌え出づる春に なりにけるかも
志貴皇子、万葉集1418
この歌が、この滝の茶屋の滝を歌ったものと垂水では言われ、それが垂水郷、垂水村、垂水町、そして神戸市垂水区の地名のルーツだそうです。