エリック・サティ

 19世紀から20世紀のフランスの作曲家で、ドビュッシーやラヴェルに影響を与えたエリック・サティの作品に「3つのジムノペディ」という曲があります。サティはパリ音楽院に入学して音楽を学んだのですが、指導教員から才能がないと言われて結局は卒業することなくやめています。パリ音楽院に在学中に、有名な「3つのグノシエンヌ」とともに「3つのジムノペディ」を作曲しています。グノシエンヌもジムノペディのお気に入りのサティーの曲です。

 サティーは、その後に「家具の音楽」を作曲していますが、これはサティーが、客の邪魔にならない演奏をして家具のように存在する音楽という意味でサティーが自ら曲名を名付けていますが、サティーの曲には現在のイージーリスニングのルーツのような曲が多く、ジムノペディもゆったりとしたテンポでシンプルな曲調で、独特の愁いを帯びた旋律です。池袋の西武美術館で、館内の環境音楽としてジムノペディが流されたことで、日本でこの曲が広く知られる切っ掛けとなったようです。

 「ジムノペディ」とは、古代ギリシアのアポロンやバッカスなどの神々を青年が称える祭典であるギュムノパイディアが由来で、サティはこの祭りの様子を描いた古代の壺を見て曲想を得たそうです。埼玉に住んでいた頃に、電子ピアノをを買って、弾くも簡単そうに思ってサティーのピアノ曲の楽譜を買ったことがありますが、ゆっくりしたした曲ですが、自分で弾いても、とても曲として聴けたものにはなりませんでした。楽譜の記憶は今はもうありませんが、楽譜にはサティーの指示があったようです。

第1番「ゆっくりと苦しみをもって」 (Lent et douloureux)
第2番「ゆっくりと悲しさをこめて」 (Lent et triste)
第3番「ゆっくりと厳粛に」 (Lent et grave)

 夏になると、この気怠いようなサティーの曲を聴くことが多くなります。左端のCDは、千葉・柏の会社の寮で2人部屋だった頃に買ったCDで、「アンニュイっぽいシュール色」というタイトルがついています。

itsumi
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