神戸フィル 定期演奏会
神戸文化ホールでの第87回神戸フィルハーモニック定期演奏会を堪能しました。
昨日が管楽器(木管のアンサンブル)の演奏会で、半月前には弦楽合奏の演奏会と、弦楽と管楽の演奏を、それぞれ別々に楽しみましたが、今日は管弦楽で、管弦楽組曲とピアノとの狂詩曲、そして交響曲です。
指揮者は朝比奈千足、大阪フィルを立ち上げて大坂フィルの指揮者を務めていた朝比奈隆の息子になります。中学生の時に、学校から明石のホールで、朝比奈隆指揮大坂フィルの演奏を聴きに行った記憶があります。担任が体育の先生で、終わった後に「良さがわからなかった」というようなことを、帰りに駅に向かう道で話し掛けられたのが印象的でした。曲は、ドボルザークの新世界だったような気がします。
開場時刻の15分ほど前に文化ホールに到着すると、すでに長い行列、当日券を買っている間に、行列が更に伸びました。外は雨で、行列の最後尾がホールの外になりそうなタイミングで、開場時刻前に受付が始まりました。
受付が限られているようで、エスカレータで、人数を制限しながら入場が始まりました。
全体を見渡せるように、少し後ろの席の中央の席につくことができました。
今日は、休憩前の2曲が、他の作曲家の作品を元にした曲で、最初の曲が、チャイコフスキーの『管弦楽のための組曲4番「モーツアルティアーナ」』でした。前期のチャイコフスキーの作品は自らの感情を吐露するような曲が多いのに対して、後期の作品は古典派に立ち返っているようで、この曲は、モーツアルトの主題を用いてチャイコフスキーなりの曲に仕上げたものだそうです。初めて聴く曲でしたが、古典派のような曲調で良かったです、チャイコフスキーはモーツアルトを敬愛していたようです。
2曲目は「ラフマニノフのバガニーニの主題による狂詩曲」で、バガニーニの「24の奇想曲」をモチーフにしたもので、主題は、リストやブラームスも使っている耳慣れたフレーズでした。ピアノ演奏は辰野翼、30歳ぐらいのようで、ダイナミックな演奏をしていました。演奏の後に鳴りやまぬ拍手で、アンコールとして、今弾いたばかりの「ラフマニノフのバガニーニの主題による狂詩曲」の有名な第18変奏を再び披露してくれました。
ピアノの演奏をコンサートホールで聴くのは、令和元年のコロナ禍前から5年ぶりでした。管弦楽とピアノとのセッションのような演奏を目の当たりにして、なんとなくコロナ禍が過ぎ去ったことを実感したような感じです。
休憩を挟んで、お目当てのベートーヴェンの交響曲7番です。いつもは自宅でカラヤン・ベルリンフィルのCDの演奏を聴き慣れて、ベートーヴェンの作品の中で、最も好きな曲の1つです。以前に、何かの演奏会で、指揮者のトークとして耳慣れた曲の演奏は、粗が目立つので演奏が難しいというようなことを言っていましたが、どうしても普段聴き慣れているカラヤン・ベルリンフィルのCDと比べて聴いてしまって「あれ?」という部分がありましたが、耳慣れたお気に入りの曲で、聴き入ってしまいました。聴いていて安心できるのは、古典派か、もっと古いバロックの時代の曲になってしまいます。ロマン派以降の交響曲は、何曲かの有名な曲を除いて、何階聞いても耳慣れない感じです。
アンコールは、古典派のモーツアルトのメヌエット・・・モーツアルトの曲も安心して聞き入ることが出来て、良かったです。
ピアノ演奏をした辰野翼のCDの販売とサイン会を大ホールのロビーでしていました。先月発売されたばかりのCDで、ドビッシーの12の練習曲のCDでした。すごい行列で、どんなCDか?目にすることもできませんでした。