田園・運命 演奏会

 ジョワン第20回定期演奏会を聴きに神戸・ハーバーランドの松方ホールに行きました。

 ベートーヴェンの交響曲「田園」と「運命」の2本立ての演奏会、チケットの購入方法がわからず、はじめてスマホでのQRコードで申し込みましたが、当日、無事会場でチケットを受け取ることが出来ました。

 松方ホールは、川崎造船所初代社長、そして神戸新聞社の初代社長も務めた松方幸次郎を記念するホールです。松方幸次郎はヨーロッパで絵画や彫刻を買い集めたコレクターであり、日本で本格的な西洋美術館の創設を目指していたようですが、第二次世界大戦の敗戦で没収されて、それが戦後フランス政府から寄贈されて、その松方コレクションの受け入れ機関として東京・上野に出来たのが国立西洋美術館です。

 松方ホールは、、神戸情報文化ビルの4階にあります。3階には兵庫教育大の神戸キャンパス(旧・神戸サテライト)があり、何年か通っていました。

 3階からは専用の長いエスカレータで松方ホールに向かいます。松方ホールは20年以上ぶりです。

スマホのQRコードで予約したチケットを受け取って行列に並びました。

 正式名称は「神戸新聞松方ホール」でした。

 ロビーで開場時間まで待機というシステムでした。

 ロービーからは神戸港を眺めることが出来ます。正面には川崎重工の造船ドッグ、松方幸次郎の所縁の工場です。

少し後方で中央の座席を確保できました。1階席が576席で2階席が130席の、それほど大きなホールではなくて、室内楽の演奏会が中心のようです。

 最初に指揮者の上塚憲一がマイクを持って現れて前説が始まりました。

 当日のプログラムにも記載されていますが、田園と運命の初演は1808年12月22日に、アン・デア・ウィーン劇場の演奏会だったそうで、演奏会では最初に「田園」、当時は「田園」が5番で、「田園」という表題もベートーヴェン自ら付けたようです。その後にアリア、ミサ曲、ピアノ協奏曲4番を挟んで「運命」、当時は「運命」が6番だったようです。「運命はこのように扉をたたく」とベートーヴェンが言ったというエピソードにちなんで後世になって「運命」と言われるようになったようです。この日の演奏会も、初演にちなんで最初に「田園」でそして「運命」でした。

 「田園」の演奏、すごく良かったです。演奏会で「田園」を聴くのは初めてですが、生演奏を目の前で聴く迫力で、この曲の「田舎での生活の思い出」というベートーヴェンの思いが顕われるように感じます。残念ながら自宅に帰って、CDで「田園」を聴くとイマイチでした。でも、普段より音量を上げて聴くと、今までとは違った感じでした。

 小さなブックシェルフスピーカなので、大編成の管弦楽が奏でる交響曲を自宅の6畳の部屋で、情感たっぷりに聴くのは無理があるのかなあ~と、自宅に帰って痛感しています。

 「運命」も良かったです。CDを自宅で聴く分には交響曲では7番と9番「合唱付き」が好きだったのですが、今日の演奏会で「田園」と「運命」に変わりました。特に第3楽章から第4楽章の演奏が良かったです。

 アンコール曲はモーツアルトの交響曲40番の第4楽章でした。運命の第3楽章の一節が、オリジナルの楽譜ではベートーヴェン自身が、モーツアルトの40番から発想を得たという書き込みがあったそうです。

 さらにもう一曲のアンコールはベートーヴェンのメヌエット、現存する楽譜はピアノ編曲版だけだそうですが、元々はオーケストラ曲だったそうで、それを推測・復元したオーケストラ版が今日の最後でした。ピアノのメヌエットとは、だいぶ感じが違って聞こえました。

 ジョワンは古典派志向のようで、今日もベートーヴェンの交響曲とアンコールはモーツアルトとベートーヴェン。耳慣れた曲ばかりで、心地良く演奏を楽しむことが出来ました。

itsumi
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