ゴキブリと私
私は、なかなか洗礼の決心がつかなかったのですが、ある宣教師のメッセージのテープを聞いて、(もちろんそれだけではないのですが)決心がつきました。
その宣教師の方は、お金がなくて、古い(ボロボロ)家しか借りられなかったそうです。夜、外から帰って、電気をつける瞬間に、ごそごそと黒いものが、光を避けるように物陰へと隠れるそうです。それがゴキブリです。
この話を聞いて、わたし自身をゴキブリに重ねました。光を避け、神への明け渡しから逃げて闇に留まっている自分の姿をそこに見ました。
闇の中だからこそ、光の輝きを(相対的に)より強く受け取ったのかもしれません。当時の私が、人間的な意味で「善き者」であったなら、光の中へ向かうことはなかったかもしれません。自分自身が輝くことを求め自己満足の中に留まり続けたかもしれません。
地底人が地上の人間より神に近いとは思いませんが、有限で相対的でしかない被造物の身でしかないですから、闇が暗い程、光を強く感じるのではないでしょうか?(K)さんが「本当に地上では、クリスチャンが輝いていても目立たないのだろうか?」と思われたように・・・。
聖書に熱中して、神学書をむさぼり、祈りの中に熱くなりと、ともすれば信仰に熱くなっている自分を感じます。ひじょうに微妙なことですが、自分の「やりがいの為」の信仰、「信じている」という<状態そのもの>に酔いしれ、自己満足している信仰というのは、熱くなって融けてしまう雪だるまのクリスチャンでしかないかもしれませんね。
Mar12,1996