信仰者の自殺で、絶望によるものもありますが、「自分で自分を裁く」タイプのものもあります。「自殺すると地獄行き」にする神に、信仰によって救われることなく、自殺によって地獄へ送ってもらうためです。

　その場合”「自殺すると地獄行きになる」と信じて”いるからこそ自殺するのではないでしょうか。

　信仰を持つ以前のことですが、なにかの記事で、一審で死刑判決を受けた人が、控訴せずに、その判決を受け入れたことに関して書かれているのを読んだことがあります。自分の犯した罪を悔い、弁護士の勧める「控訴・上告することによって減刑される可能性」を絶ったそうです。

　自殺とは違います。でも「生きる可能性」を自ら絶ったのです。その死刑判決は裁判所のものであるのですが、その方が自ら下した判決とも云えるのではないでしょうか？（その方が何らかの信仰を持っていたかどうか、その記事は触れていませんでした。）

　私は「信ずる自分」を時々疑っています。そして「信じる内容」について考えます。今まで見えなかった自分の姿が見えるかも知れないと思って。客観的に自分を扱うことって大切ですね。
　Aug12,1996