枢機卿とキリスト新聞

「教会を元気にするセミナー」がクリスチャンセンター神戸バイブルハウスであるので、参加しました。場所は磯上公園東側です。ここは日本で唯一の聖書図書館を併設しています。

特別メッセージがカトリックの枢機卿 前田万葉大司教で「カトリック教会のこれから」、そして基調講演がキリスト新聞社 松谷信司 社長で「今からでも遅くない~目からウロコの教会アップデート術」。

20分ほど前に会場に着いたのですが、だいぶ席が埋まっていました。でも前の席が空いていたので、前から3列目に座ったのですが、最前列には前田万葉大司教、それとクリスチャンセンターの理事長で、関西学院の神田健次 名誉教授、そして司会をされたセンターの役員の方々が座っていました。

前田万葉大司教はカトリック大阪高松大司教区の大司教で、司教座聖堂として大阪の玉造教会に大阪高松カテドラル聖マリア大聖堂があります。昨年の7月にエルサレムの聖墳墓教会の前首席オルガニストであるヤクープ・ガザウィの演奏を聴きにいった時にも前田万葉大司教の短い話があり、前田万葉大司教から祝祷を受けたことがあります。大きなカテドラルで遠くからでしたが、今回はすぐ近くの席に座って身近に感じました。
日本には枢機卿は、東京の菊地功 大司教とお二人で、教皇の最高顧問として教皇を補佐しています。昨年の教皇選挙(コンクラーベ)にも参加しており、アメリカのプレヴォスト枢機卿がコンクラーベで選出された時の逸話も話の中にありました。5月7日の第1回目の投票では、票がばらばらで、誰が選出されるかわからなかったようですが、5月8日午前の2回目と,3回目の投票で、プレヴォスト枢機卿の票が急に増えて、ランチの時に、前田万葉大司教のテーブルの横に座った見知らぬ枢機卿が、日本人ということで、長崎や広島の話を片言の英語で交わしたそうで、その後部屋へ戻って写真付きの名簿を見ると、それがプレヴォスト枢機卿だったそうで、午後の4回目の投票で選ばれ、レオ14世を名乗ったそうで、すでにランチタイムの時に教皇に選ばれることを考えて、すでに就任の挨拶を考えていたのかなあ~と思ったそうです。
枢機卿や大司祭という肩書からは、ヨーロッパ中世の悪いイメージがまとわりつくのは、福音的なプロテスタント教会のバイアスだったのかもしれません。前田枢機卿は、聖書の言葉から語り、社会のこと、教会のこと、平和のことに触れて、カトリックの懐の深さを感じました。

続く基調講演は、日本基督教会(新日基)でキリスト新聞編集長でもある松谷信司 社長による「今からでも遅くない~目からウロコの教会アップデート術」です。YouTubeのいのフェスチャンネル_松谷信司」のチャンネル登録者数 が6000人を超え、これはプロテスタントが日本で数十万人と言われる中で、登録者数は結構多く、視聴回数が1万回を超えるコンテンツもあり、すでに600本を超えるコンテンツをアップしており、プロテスタント系のYouTubeとして人気のようで、私もかなりのコンテンツを視聴しています。

教会アップデートに先立って、現在のキリスト教会の抱える問題点、最近のトピックス、課題等の話があり、教会を取り囲む環境が、どちらかといえば右肩下がり・衰退の方向にある現実に目を向ける必要があることの話があり、とりわけ昨年末からくすぶっていた いのちのことば社をめぐる不信感のようなものが、昨年末に関係する教会向けだけに報告されたことは、逆にことば社への不信感が募ったように感じ、正月明けになってやっと公式にことば社の役員による横領があったことが発表されました。松谷社長は同業者としてオブラートを包んだような表現をしながらも、かなり厳しい意見をしていました。
個別教会としての伝道・宣教に関しての留意点として、「伝道・宣教が、相手にとって勧誘・宣伝と受け取られ、宗教への拒絶感の雰囲気の中での拒否反応」という点。それに加えて伝道・宣教する側の教会員自身が「自身の教会や教派のことしかわからず、世の中の教会では、どのような方法・手段をしているかわからない」という点も上げられています。

いろいろな事例を含めて、いろいろな話をした後で、「教会のアップデート」というのが、決して教会としての核心である信仰そのものの内容を変えることではなく、また礼拝を軽くすることでもないことを力説していました。
また少子高齢化で、教会の主力メンバーが高齢化しているので、ネットの利用に関して消極的な傾向があるそうですが、世の中では情報収集の主力がネットに移行しつつあるので、スマホ等で「まずネットで収集」という40代ぐらいまでの世代にとって、教会独自のWebサイトやYouTubeも含めたSNSの発信をしないと、その教会が(あたかも)存在しないのに等しいということまで口にしていました。おそらく50代や60代ぐらいでも、スマホを中心にネットで検索をまず最初にする傾向が多いので、教会アップデートにとってネットの活用が。一つのキーポイントになるという意見でした。

教会のアップデートとっても、教会そのものの在り方(信仰の内容・方向性、礼拝の形式)を変えるわけではあんくて、逆に教会の独自性・アイデンティティーを、外部が”知りたい方法”で如何に発信するか・・・という伝道・広報であったり、内輪言葉(教会だけの専門用語)の見直し等の「敷居の高さ」を低くすることが、今現在の世の中との風通しが良いという意味での教会のアップデートということでした。
お二人の話のあとには、質疑応答があり、カトリック教会に関する質問に対して前田枢機卿は丁寧に説明され、それ以上の情報提供もされて、素敵なひとときでした。

春望や バイブルハウス 二十年・・・3年前の此処バイブルハウス20年の記念に、前田枢機卿の句を自ら書いて額に入って飾っていました。

閉会後のティータイム、松谷社長は自著の販売とサインで行列が出来ていました。前田枢機卿はみんなに混じってお茶のひとときを過ごしていました。