「礼拝の讃美」

現在、プロテスタント教会で「礼拝の賛美」として広く使われている讃美歌集としては、「讃美歌21」と「新聖歌」がありますが、まだまだ「讃美歌(54年版)」も根強く、礼拝の賛美として使われています。
讃美歌21の「まえがき」では、「編集に当たって、めざしてきたもの」として、
① 現代という変化する時代と状況の中で、 信仰を共に証しする歌。
② 代々の聖徒たちから受け継がれてきた歴史的な遺産を、 新しい視点と用途の中で生かせる歌、また次代にも引き継がれていく歌。
③ 公同礼拝にふさわしい歌 (公同性、 賛美の歌と祈りの言葉の対話性、典礼性を生かし、会衆参与を促す)。
(讃美歌21のまえがき、日本基督教団讃美歌委員会、1997年2月)
聖なる公同の教会における「公同礼拝にふさわしい歌」であり、聖徒の交わりの中で「信仰を共に証しする歌」、そして過去・現在・未来と連なる教会として「代々の聖徒たちから受け継がれてきた歴史的な遺産」として尊重して、まさに今・現在において礼拝の賛美として「生かせる歌」、そして「次代にも引き継がれていく歌」というのが、この「讃美歌21」が目指したものと書かれています。
そして「公同礼拝にふさわしい歌」として「公同性」と「典礼性」という言葉が使われていることも、カッコ内での表記ではありますが、とても大切なポイントではないかと感じます。
それに加えて
⑦ 礼拝以外の諸集会や信徒の生活の中でも、多様な展開ができる歌。
(讃美歌21のまえがき、日本基督教団讃美歌委員会、1997年2月)
「礼拝の賛美」以外の集会や聖会、祈り会等で、カタカナでワーシップ・ソングやプレイズソングと言われる歌は、どちらかと言えば「歌う側」に力点があり、ハイな気分になったり、或いは福音派やペンテコステ系の教会では、手を挙げて歌ったり、或いは立って歌うような雰囲気の中で、語弊があるかもしれませんが、「場が盛り上がる」ような歌も少なくなかったり、個人的で内省・感傷を伴うような歌だったりと、「礼拝の賛美」とは趣が異なるように思います。
一方、新聖歌では、「歌い方について」として、
霊的に歌うことを心がけたい。 賛美は主へのささげものであるから、 主に向かって心から歌うこと。 賛美は愛の神への信仰の応答であるから、心を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして歌う。その賛美のテーマ、メッセージが何であるのかを考え、その歌詞に自分の思いを重ねつつ歌う。そうすれば、作者の賛美である以上に、 自分の信仰の賛美、 また公同の賛美として、 全身全霊で歌えるようになるであろう。
(新聖歌の「新聖歌』 について、日本福音連盟新聖歌編集委員会、2001年)
「賛美は愛の神への信仰の応答」であり、そして「自分の信仰の賛美、 また公同の賛美」であると端的に讃美歌を位置づけているように感じました。礼拝においては「公同の賛美」であることは、讃美歌21と同じなのは・・・当たり前かもしれません。

20歳代や30歳代の千葉・埼玉に住んでいた頃は、キリスト教系の集会や聖会では、カタカナでワーシップ・ソングやプレイズソングと言われる歌、小坂忠や岩淵まことの歌などを好んでいましたし、今も時折BGM風に聴くことがあります。

素朴なLyREの歌、力強いゴスペルシンガーKISHIKOもお気に入りのCDです。

プレイズソングやワーシップ・ソングのカセットテープは、もうほとんど聴くこともなく、MP3のデジタル化をすれば良いのかと思っています。
「礼拝での賛美」とは別に、これらのプレイズソングやワーシップ・ソングを集会や聖会で唄ったり、BGM風に聴くことは、良い意味での「礼拝の賛美」の補完となるように思います。

映画やドラマで、カトリック教会のシーンで耳にする典礼用の歌声に惹かれるものを感じます。映画やドラマでは天井の高い会堂で、心が鎮まるような旋律の歌声が響くのを耳にすると心地良いです。

楽譜はシンプルそのもの・・・

歌う賛美ではないですが、「典礼の賛美」としては、やっぱりグレゴリア聖歌かなあ~と思います。朝早く、まだ暗い静寂の中では、プレイズソングやワーシップ・ソングではなくて、やっぱりグレゴリア聖歌・・・です。

カルヴァン系の教会では詩篇歌が用いられています。日本キリスト改革長老教会で用いられている詩篇歌集は、礼拝では伴奏なく賛美するそうです。日本キリスト改革派教会のジュネーブ詩篇歌は、
礼拝の中で会衆が繰り返し歌うことが大切です。 同時に、リタージを整え、 詩編を歌うのに相応しい礼拝の形を作り上げ、 霊性を高めなければなりません。
(『ジュネーブ詩編歌抄』まえがき、日本基督改革派教会讃美歌検討委員会委員長 安田吉三 1996年2月28日)
「詩編を歌うのに相応しい礼拝の形」が、日本キリスト改革長老教会と日本キリスト改革派教会とでは、同じ改革長老系で聖書主義の立場であっても、異なるようで、別々の詩篇歌集を、それぞれ独自に持っています。

私には、1954年版の日本キリスト教団の「讃美歌」が、文語調の歌詞で端的でわかりやすく、耳に馴染んで、そして歌いやすいように感じます。私にとってのプロテスタント教会が代々の聖徒たちから受け継がれてきた歴史的な遺産であることを尊重しつつ、次代にも引き継がれて欲しいという思いで、礼拝で賛美するにはマッチングが良いです。